『ほどなくお別れです』 長月天音著 小学館文庫

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『ほどなくお別れです』 長月天音著 小学館文庫

大学生の清水美空は、東京スカイツリー近くにある葬儀場「坂東会館」でアルバイトをしている。坂東会館には、”訳あり”の葬儀ばかりを担当する漆原という男性スタッフがいた。漆原は、亡くなった人と、遺族の思いを繋ごうとする心を尽くす葬送ディレクターだった。「決して希望のない仕事ではないのです。大切なご家族を亡くし、大変な状況に置かれたご遺族が、初めに接するのが我々です。一緒になってそのお気持ちを受け止め、区切りとなる儀式を行って、一歩先へと進むお手伝いをする、やりがいのある仕事でもあるのです。」大反響を呼んだ」ブリーフケア小説である。

 漆原の親友の僧侶里見は言う。「語ってあげるの供養だと、さっきまでお身内から聞かせてもらっていたんだよ。聞いてもらえると楽になることってあるでしょう?そうやって悲しみを癒すのも、僕の役割だと思っているからね」。美空が「亡くなった方というよりも。お身内のための式みたいですね」と言葉を繋ぐと、漆原が応えた。「そうだ。たとえ身内でも、亡くなった方にはもう何もしてあげられない。こうやって、後悔の念をすこしでも昇華させるしかない。葬儀とはそういう場でもある。」
 亡くなり方には様々な形がある。特に幼い子ども死には、心を痛める。美空には美鳥という姉がいた。美空の生まれる前の日に水の事故で亡くなっている。このあたりのプロッタがまた実に効いている。エピローグには、愛する祖母の死と姉との会合が出てくる。涙なくては読めない本であった。

毎週日曜は礼拝の日

花見川教会では毎週日曜日、神様への感謝と祈りをささげる礼拝を開いています。この礼拝はキリスト教に興味のある方でしたら、どなたでも自由に参加できます。お仕事などで日曜日の都合がつかない方は、毎週水曜日に行われる祈祷会(きとうかい=お祈りの会)がおすすめです。

日曜礼拝
午前10時30分~11時45分
必要な持ち物は特にありません。聖書や讃美歌などは教会でお貸します。
水曜祈祷会
14時00分から15時00分
こちらも必要なものは特にありません。聖書について学び、皆で神様にお祈りを捧げます。